ロンキー縞の見方と光学系の欠点



このページで示すロンキー縞の例は、オライオン社製200本/インチのロンキーアイピースで実際に恒星を見たイメージを想定しています。ただし、現実には、欠点が複合して現れる場合が多く、また、シーイングの影響などで縞が揺れ動き判断の難しい場合があります。また、何より望遠鏡は「星を見る道具」です。ロンキーアイピースはその「道具としての望遠鏡」が正しく機能しているのかを判断するための材料のひとつを提供するに過ぎません。わずかな縞の曲がりを発見して疑心暗鬼に陥るのはご自由ですが、「星が綺麗に見えるか」を判断する眼を先ず持ってください。望遠鏡で星を見てください。完璧な望遠鏡(光学系)を机上で示すのは簡単ですが、現実には完璧な望遠鏡など存在しません。星が綺麗に見えない原因を突き止め、改善する手がかりを得るための道具としてロンキーアイピースをご利用ください。
 

テスト方法:

自動追尾装置を持った架台(可能ならば)に望遠鏡を搭載します、望遠鏡の視野中心に明るい恒星を導入し、通常のアイピースを外してロンキーアイピースを挿入して眼を近づけて覗きます。ほとんどの場合、焦点外像のほうがテストしやすいでしょう。また、ロンキー縞が4〜5本見えるくらいが判断しやすいので、合焦ハンドルを廻して調整します。





ロンキーイメージ

その欠点は?

重症か否か?

対処は可能か?

焦点内像

焦点外像

素晴らしい光学系!

欠点はありません!

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アス。特に屈折望遠鏡およびシュミット・カスグレン式反射望遠鏡に認められる欠陥。左図のパターンとは逆、あるいは不規則かもしれません。欠点は明白です。

非常に重大な欠陥。

修正には多大なコストがかかる。
 

中央にある山。(カタディオ系やたいていの反射式では副鏡の陰になる)負修正の中心エリア。 重大な欠陥ではない。
山の径の大小にもよるが、大抵は、あまり気づくことのない欠陥。
修正には熟練を要する。
 

中央の穴(カタディオ系やたいていの反射式では副鏡の陰になる)。過修正の中央のエリア。上図の「山」のちょうど逆。 重大な欠陥ではない。
穴の径の大小にもよるが、大抵は、あまり気づくことのない欠陥。
修正は非常に困難。問題として認識し、そのままにしておきます。
 

一般的な過修正。研磨精度の悪い望遠鏡のまさに共通の欠陥 200本/インチのロンキーアイピースで左図のように見える場合、重大な問題。恒星はピントが甘く、惑星は鋭さを欠きます。 パラボラ鏡の場合、修正は比較的容易。屈折望遠鏡およびカタディオ系では、非常に高価か、多くの場合修正不可能(調整の限界)。
 

一般的な負修正。特に研磨精度の悪いパラボラ鏡や屈折望遠鏡によく見られる欠陥。 200本/インチのロンキーアイピースで左図のように見える場合、重大な問題。恒星はピントが甘く、惑星は鋭さを欠きます。 パラボラ鏡の場合、修正は容易。屈折望遠鏡およびカタディオ系では、非常に高価か、多くの場合修正不可能(調整の限界)。
 

輪帯的な谷。パラボラ整形過程で比較的生じやすい。多くの光学系でもある程度見られる欠陥。 重大な欠陥でない。
ただし、ゾーンが鏡周に近づくほど悪い。
取り除くことは非常に困難。
 

輪帯的な山。
非常に珍しい。
重大な欠陥でない。
ただし、ゾーンが鏡周に近づくほど悪い。
パラボラ鏡では修正は容易。他の光学系では非常に困難。
 

鏡周のダレ(ターンダウン)。イメージ破壊者。イメージの鋭さは完全に損なわれる。 タレたエッジ部分は強烈な過修正。(大口径パラボラ鏡では、温度順応中に生じる場合がある) 非常に重大問題。もし、ロンキーアイピースで左図のように見える場合、イメージはひどく影響されます。ローコストの光学系によくある欠陥。 修正には高いコストがかかるでしょう。また光学系によっては除去不可能なエラーです。
 

鏡周の山(ターンアップ)。パラボラ鏡では珍しい欠陥。(屈折望遠鏡とSCTでたびたび見られる) ターンダウン同様、重大な問題。欠陥のある外周を覆い隠すことでイメージ品質が向上する。 パラボラ鏡は修正することができます。他の光学系では高いコストをかけても除去はまず不可能。

くれぐれも、ほどほどに。。。