光学系
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F3パラボラ主鏡:
面精度λ/8(波面誤差1/4PV)
Zaygo干渉計測定表添付
Hiluxコーティング
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・口径250mm、焦点距離750mm(875mm)
→ ビッグパラコア2使用時の実効焦点距離: 焦点距離863mm(F3.45)
・口径300mm、焦点距離900mm(1,050mm)
→ ビッグパラコア2使用時の実効焦点距離: 焦点距離1,035mm(F3.45)
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F3.5パラボラ主鏡:
面精度λ/8(波面誤差λ/4)
Zaygo干渉計測定表添付
Hiluxコーティング
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・口径250mm、焦点距離875mm
→ ビッグパラコア2使用時の実効焦点距離: 焦点距離1,006mm(F4.0)
・口径300mm、焦点距離1,050mm
→ ビッグパラコア2使用時の実効焦点距離: 焦点距離1,208mm(F4.0)
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アストログラフシリーズのパラボラ主鏡は、F3、または、F3.5 の2つのF値を選べます。いずれも、英オライオン社の特別研磨による超単焦点ミラーです。高反射率Hiluxコート仕様。Zygo干渉計による測定表を添付して、精度を保証しています。
波面誤差1/4PVは、ディフラクションリミット(分解能限界)をクリアする精度です。すぐれた光学性能が要求されるのは、観望のみならずデジタルイメージングでも同じ。さらに、組み合わせるコマコレクターの性能を完全に発揮させるためにも、パラボラ主鏡の精度は重要です。
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ビッグパラコア2
F3やF3.5のパラボラミラーは、これまでほとんど利用されたことのない短焦点鏡です。その理由は、深い曲率によるパラボラ整形の困難さはいうまでもなく、単独で強烈なコマ収差を発生することにあります。
左上の図は、F3からF5までの各パラボラミラーのコマ収差による結像の劣化を表したグラフです。F3ミラーを例にとると、ディフラクションリミットの結像はほぼ視野中心のスポットのみで、光軸中心から1mm離れれば約10ミクロン、5mmで約50ミクロンに星像は拡散していきます。この数値は、超高倍率の視野でさえ、コマ収差が目障りなるレベルです(視野環径10.4mmのイーソス6mmで見る視野周辺の星像は、50ミクロンのコマ収差像を42xに拡大した像)。つまり、単体では天体観測に使用困難な結像性能を持ったミラーです。
左下の図は、F3パラボラミラーにビッグパラコア2を使用した結像性能を示したグラフで、上のグラフの底部のみを拡大した領域を表します。グラフの横軸にあたるφ40mmの視野範囲の全域で4ミクロン以下の結像性能を示し、エアリーディスク径で規定されるディフラクションンリミットの結像をφ26mm(ほぼ1 1/4"アイピースの最大実視界)の範囲で実現しています。広視界の眼視および撮影では、エッジまでほぼ完全な点像を、高倍率/強拡大の眼視、撮影では口径相応の分解能を発揮することが可能です。
F3パラボラミラーは、ビッグパラコア2により、パラボラミラー本来のシャープネスを、広い視野範囲で実現することができます。
撮影機材の接続は「こちら」を参照してください。
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鏡筒の特徴
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アストログラフに最適なカーボン鏡筒
本機に採用したカーボン鏡筒は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)素材によるハイグレードなカーボンチューブです。鏡筒の前後を肉厚(最大4mm超)に成形することで、接眼部と斜鏡スパイダー、および主鏡セルの装着をよりいっそう強化しています。さらに、各部の肉盛を最適化して、バンド保持でのたわみを防止しています。上の全景画像の微妙な反射光の諧調から、その様子が判ります。また、型抜き成型により内径が真円なので、正確な光学アライメントが可能です。

カーボンチューブは「軽量(比重1.5)で高剛性(鉄の約2倍)」という、相反する要素を両立し、さらにきわめて小さな熱膨張率など、大口径アストログラフには理想的な鏡筒素材です。
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ムーンライト社CXL3.6"接眼部(ステッパーモーター仕様)標準装備:
ムーンライトCXLフォーカサーは、ドローチューブ内径φ3.6インチ(91mm)にもおよぶ超大型接眼部です。付属する3"スリーブアダプターにより、「ビッグパラコア2」に対応します。
CXLフォーカサーは、ムーンライト社の精度基準によって造られた最大スケールの接眼部です。定評ある高精度オペレーションはそのままに、高負荷に耐える強度/剛性を実現しています。
短焦点アストログラフでは“像面のレベリング不良”が星像劣化の大きな原因になります。CXLフォーカサーは、レベリング調整メカニズムを持つことに加え、ガタやアソビがゼロのクレーフォード式。高剛性/低膨張カーボン鏡筒とあいまって、アストログラフとして理想的な接眼部を構成して4います。
さらに、合焦メカニズムは「ステッパーモーター仕様」とし、「MiniV2コントローラ」を標準装備。PCリンクで、高分解能のハーフステップ駆動や、合焦の自動化(オートフォーカス)が可能。オプションの「2-Speed DROコントローラ」仕様は、PC無しでパルスステップを管理/制御でき、合焦ポイントの数値化や温度補正、ハーフステップ駆動が可能です。詳細は「こちら」を参照してください。
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適切な遮蔽率に配慮した斜鏡径:
ビッグパラコア2は、1.15xの拡大率により焦点引き出し効果をもち、短焦点ニュートンでも極端に大型の斜鏡を要求しません。過大な遮蔽率は像コントラストの低下をもたらすので、アストログラフ(直焦点撮影専用鏡筒)といえども、遮蔽率の設定は重要なポイントです。
アストログラフシリーズでは、フル光量域φ約30mmが得られる斜鏡径に設定し、オフセット取り付けにより、ビッグパラコア2のφ52mmのイメージサークル外縁で約70%弱の光量が得られる設計です。オプションで、さらに大型斜鏡も用意。撮影ターゲットに応じて最適な仕様を選択できます。
なお、この斜鏡掩蔽率は一般的なSCやACF、RC系などカタディオプトリック光学系に比して小さく、アイピース観望にも充分な成果を期待できます。
左図は300mmF4.0モデルでの掩蔽率(対主鏡直径比 2.7:1)を示します。
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カーボン羽根2重スパイダー:
1mm厚のカーボン羽根を12mm間隔で平行に配した4本羽根構造。羽根素材にカーボン(CFRP)を使用した高剛性スパイダー。光軸調整部は、中心に引きねじ、十字配置の押しねじ(4本)により、調整が容易でずれにくい構造です。
単羽根スパイダーに比べ、構造物として安定ているので、飛躍的にたわみが減少し、高剛性のカーボン鏡筒とあいまって、ニュートン鏡筒としては屈指の剛性を誇ります。さらに、オプションとして、光軸方向にもう一本の二重スパイダーを重ね配置する「スタックスパイダー」仕様も承ることができます。
なお、輝星の発射線は、従来の1本羽根十字スパイダーと同じ十字線(複十字ではありません)。
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完全シースルーセル:
主鏡セルは、主鏡全面が外気に触れる完全なシースルー構造です。さらに、鏡周と鏡筒内壁の間に空間があるので、鏡筒に煙突効果 - 熱源の主鏡が筒内に強力な上向気流を発生させ、外気が鏡筒の後端から促進的に流入し筒先から放出される状態 - が発生します。主鏡が丸裸の状態で外気の流れの中に置かれるので、温度順応が速やかに進行します。この作用により、温度順応に要する時間は、トラス式鏡筒よりはるかに速やかです。装備された冷却ファンは、外気を直接主鏡に当てるので、加速度的に温度順応を促進することもできます。
順応後はキャップをはめて筒内気流を安定させ、同時に背面からの光も遮蔽して撮影準備が整います。主鏡の温度が外気に順応していない状態では筒内気流が発生し、これによる星像肥大は、シーイング条件による劣化より甚大です。撮影でも望遠鏡の温度順応はきわめて重要です。
主鏡は、6個のパッドにシリコン樹脂で接着固定なので、ミラー前面に爪がなく、回折による星像のイレギュラーなハレーションは発生しません。
左:300mmアストログラフの主鏡セル(冷却ファンを外しています)
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CNC切削鏡筒バンド + ロスマンディー互換ダブテールプレートDTP-14:
アルミ合金板をCNCマシーンで切り出し、高精度に仕上げた切削加工による鏡筒バンド。厚み16mm。鏡筒保持部は真円であり、正確なフラット面でプレート(オプション)に密着。トルク付加が容易な大型グリップをもち、ダイキャスト素材をしのぐ高い剛性で鏡筒をホールドできます。
組み合わせるプレートは、ロスマンディー 「DTP-14」。ロスマンディー(G11、Titan)、アイオプトロン(CEM60)、スカイウォッチャーEQ8などの赤道儀へワンタッチで装着できます。長いDTP-14により、2本のバンドの間隔が345mmになり、安定した鏡筒ホールドが可能です。さらに、バンド上部にブリッジプレートとしてもう1枚DTP-14を装着することもできます。
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